このページはデコレイトミーアトリエの運営理念・設計思想を整理したものです。
お客様向けの案内ページではなく、当アトリエの判断背景と考え方をまとめた資料です。

1. 結婚指輪という前提
結婚指輪は、
短期間の使用を前提としたアクセサリーではありません。
・長期使用(数十年単位)
・日常使用(仕事・家庭・フォーマル)
・身体と常に接する装身具
この3点が前提になります。
そのため、デザインにおいては
- 過度な装飾を避けること
- 時代性に依存しすぎないこと
- 長時間装着に適した形状であること
が重要になります。
当アトリエでは、この観点から
“静かな形”を基本設計としています。
2. シンプル設計の理由
シンプルなデザインは、制限ではなく合理的判断です。
装飾を増やせば個性は強まりますが、
流行や使用環境の影響も受けやすくなります。
長期使用を前提とする結婚指輪においては、
主張の強さよりも持続性を優先するべきだと考えています。
そのため、
当アトリエの結婚指輪は
過度に複雑な構造を基本とはしていません。
3. 手作り結婚指輪という形式の意図
手作り結婚指輪は、
単なる体験型サービスではありません。
制作の時間を、
リングの価値構成要素に含める設計です。
・自ら素材に触れる
・工程を理解する
・制作過程を共有する
このプロセスは、
完成品の購入では得られない記憶を生みます。
当アトリエでは、
この「制作時間」も指輪の価値の一部と定義しています。

4. 制作範囲と完成度のバランス
手作り結婚指輪では、理論上さまざまな形状が可能です。
個性的なデザインをご希望されることもあります。
しかし、
・技術的難易度
・加工精度
・長期使用に耐える構造
を考慮した場合、
自由度には合理的な範囲が存在します。
当アトリエでは
「作れるもの」ではなく
「完成度を保てるもの」を基準に提案します。
複雑な造形を優先した結果、
仕上がりの精度が下がることは避けたいと考えています。
自由放任ではなく、
専門的判断に基づいた先導。
これが、手作り結婚指輪における
サポート職人の役割です。

5. 設計対象を広げるという考え方
ジュエリーデザインは、
小さな造形を扱う仕事です。
物理的にできることは限られています。
面積も、厚みも、重さも制約があります。
“物”として見れば、
表現できることは多くはありません。
しかし、
見る人の想像力や、
身につける人の思いが重なることで、
その小さな造形から大きな世界が生まれます。
形そのものではなく、
そこに重なる意味までを設計する。
それが、デコレイトミーが
大切にしてきた考え方です。
手作り結婚指輪では、
この設計対象がさらに広がります。
形だけでなく、
制作する空間や、
共有する時間そのものも
デザインの一部になります。
空間、時間、記憶。
それらを含めて設計することは、
当アトリエにとって新しい挑戦でもあります。
物としては小さなリングですが、
その内側には、
大きな世界をつくる余地があります。
6. オリジナルジュエリーとの一貫性
オリジナルジュエリーにおいても、
設計思想は一貫しています。
意味を固定しすぎないこと。
解釈の余地を残すこと。
装飾の量ではなく、
構造と余白で成立させる。
オリジナルジュエリーでは“想像”が重なり、
手作り結婚指輪では“時間”が重なります。
形は小さくても、
そこから広がるものを設計する。
それが当アトリエの基本姿勢です。
結論
ジュエリーは小さな造形物ですが、
その価値は形状のみで決まるものではありません。
構造、持続性、制作過程、
そしてそこに重なる時間や記憶。
当アトリエでは、
これらを一体として設計しています。
それが、
デコレイトミーのものづくりの基準です。
制作体制・品質設計・価格構造を含む、全体の設計思想については、下記のまとめページをご覧ください。


