1日1組という制作スタイルを選んでいる理由

── 運営の視点から

この記事は、1日1組という制作スタイルを選んでいる理由について、運営の視点からまとめたものです。


前提として

デコレイトミーアトリエでは、
手作り結婚指輪の制作体験を 1日1組限定 で行っています。

これは演出や希少性を目的としたものではなく、
制作体験そのものの質を一定以上に保つための、
運営上の判断です。


焦らせないための時間設計

1日1組にしている一番の理由は、
次の予約の時間を気にして、制作を急がせたくないからです。

結婚指輪づくりは、
作業に入る前の「デザイン選び」から、すでに体験が始まっています。

形、太さ、素材、仕上げ。
考えることが多く、
デザイン選びだけで疲れてしまうことも少なくありません。

その状態で
「そろそろ作業に入らないといけない」
「次の予約がある」
という空気があると、
本来必要のない焦りが生まれてしまいます。

デザイン選びに時間がかかったからといって、
その分、作業の時間を急がせることはしたくありません。

そのため、
次の予約を前提にしない構造として、
1日1組という形を選んでいます。


比較が生まれない空間をつくるため

複数のカップルが同時に制作を行う環境では、
意図せず比較が生まれます。

進行の早さ、
作業の上手さ、
雰囲気や会話。

結婚指輪づくりは、
誰かと比べるための時間ではありません。

制作の時間は、
ふたりのペースで進み、
ふたりの空気で完結するものだと考えています。

そのため、
他のお客様と制作時間が重ならない環境を前提にしています。


「お店」ではなく「自分たちの作業場」であること

制作中は、
デザイナーや職人がサポートに入ります。

ただし、
主役は常に制作しているふたりです。

理想としているのは、
「お店に来て作業をしている感覚」ではなく、
自分たちの作業場で手を動かしている感覚

自由にはしゃぎながら進めてもいいし、
黙々と集中してもいい。
途中で手を止めて話し込んでもいい。

その空気を保つためにも、
他者の存在を極力排した状態が必要だと考えています。


サポートする側も、焦らないために

1日1組という形式は、
お客様のためだけのものではありません。

サポートする側である自分自身も、
時間に追われない状態で向き合うための選択です。

次の予定が控えていると、
無意識のうちに進行を早めてしまう判断が入りやすくなります。

それは言葉にしなくても、
空気として相手に伝わってしまう。

制作体験において重要なのは、
工程を早く終わらせることではなく、
判断・声掛け・介入のタイミングです。

その質を安定させるためには、
時間的な余白が必要だと考えています。


サービスの質を落とさないための判断

1日1組という形式は、
効率や回転率を意図的に下げる選択です。

しかしその代わりに、

・デザインをじっくり考える時間
・制作途中で立ち止まる余裕
・ものづくりそのものを味わう時間

これらを無理なく含んだ体験を成立させることができます。

完成した指輪だけでなく、
その過程も含めて思い出として残ることを、
制作体験の価値として大切にしています。


運営方針としての結論

1日1組という制作スタイルは、
特別感を演出するためのものではありません。

制作体験の質、
サポートの密度、
時間の自由度を一定以上に保つための、
運営上の判断です。

この方針は、
デコレイトミーアトリエにおける
制作体験の設計そのものであり、
今後も変わる予定はありません。